経営の現状

経営目標

  • 森林の持つ公益的機能の高度かつ持続的な発揮
  • 県の財政支援等による経営の安定化
  • 収益性に配慮した経営の合理化

具体的な取組方向

森林の持つ公益的機能の高度かつ持続的な発揮

  • 森林の持つ公益的機能の高度化及び持続化を図るとともに、収益性を高めるために、従来の短伐期施業から長伐期施業への転換を目指し、平成11年度より分収造林契約期間50年(当初契約)から80年契約に改めるべく契約期間延長について分収造林契約者との合意形成に努めている。

    契約年度 S41~H元 H2~H12 H13~H16
    契約期間 50年 70年 80年
    変更契約締結(長伐期施業へ移行のための協議)
    契約年度 H11~
    契約期間 80年

    R5年度末現在 契約面積の98.4%が変更済

  • 公益財団法人への移行に伴い、従来の経営収支の観点に加え、森林の持つ公益的機能に配慮した森林整備と持続可能な森林経営を確立する必要性の観点から、前述の長伐期施業と絡めて非皆伐施業を導入し、利用間伐を繰り返し実施しながら、最終形として天然更新による広葉樹林化に誘導していく。

県の財政支援等による経営の安定化

  • 木材価格の低迷など、現時点において主伐時に収益が見込まれない契約地については、県土の保全及び水源かん養などの機能を将来にわたって発揮できるよう「公益的機能林」として県が設定し、その施業及び管理に係る経費は、将来にわたって県が補助する。

    公益的機能林設定契約地 408件 / 1,741ヘクタール
  • 県借入金に係る未払利息については、県の免除(債権放棄)を受けるとともに、有利子借入金についても無利子借入で繰上償還し、利息の発生を停止する。これにより、分収造林事業終了時の収益を確保し、安定した経営の確立を図る。

収益性に配慮した経営の合理化

  • 保育事業に伴う施業基準及び施業内容を見直した。
    枝打事業の4m打ち中止、保育間伐事業のスギ実施回数をヒノキと一緒に、利用間伐事業の伐採率を3割以上に変更するなどの見直しを行った。

  • 造林事業費の高騰や木材価格の下落に伴い、経営収支の赤字化が見込まれるため、平成27年度から分収割合の見直しを行った。
    当初契約(公社6:所有者4)→ 変更後(公社7:所有者3)

    契約年度 S41~H12 H13~H16
    分収割合 公社6:4所有者 公社7:3所有者
    変更契約締結(経営安定化のための協議)
    契約年度 H27~
    契約期間 公社7:3所有者

    R5年度末現在 契約面積の73.5%が変更済

  • 最終伐採には造林補助事業(人工林整理伐事業)を導入し広葉樹林化を図る。

  • 業務の効率化によるコスト削減や利用間伐の推進による収益の増加に配慮した経営が重要であることから、平成28年度より民間事業体から利用間伐や路網整備等に関する技術提案、利用間伐材の収益性の高い販路情報等の提供、民間ネットワークを活用した事業の効率化に関する提案等「公募型プロポーザル方式」を導入した分収造林の施業・管理業務の委託を行い、経営コストの削減と収益性の増加に努める。

  • 県からの派遣されている全ての職員を、平成28年度までに漸次計画的に削減し、体制のスリム化と経営コストの削減に努める。